
【第12話】:海洋の神 [壁の傷ⅰⅱⅲⅳⅴⅵⅶ ⅷ ⅸⅹⅺⅻⅰⅱⅲⅳⅴⅵ ]
灰の中の火種
作曲家の女性は、指先をじっと見つめていた。
完成した譜面が彼女の目の前に広がる。
停滞していた幾星霜の日に
海賊船長からの強引な依頼が舞い込む。
「……もうできないと諦めていたのに。」
六十キロの重り
秘密の特訓を一年半続け、倒立の状態で歯を食いしばる。
視界が逆さになり、内臓が押し上げられる中、タイマーが鳴り、床に崩れ落ちる。
口からは血と光沢のある白い欠片が吐き出され、石の床で金属音を立てる。
新曲:【船長の振り子】 再生ボタン。
(歌詞の断片) ……絡みつく欲望は解けず、大西洋のような後悔を抱え……もう戻ることはできない。 振り子が止まる瞬間、目に映るのは一体何なのだろう。
第一音が届くと、マリンは電流を感じ、幻想的で深海の旋律が心を震わせる。
作曲家は遠くで頷くが、声の“輪郭”に違和感を覚え、人間ではない何かが歌っているように感じる。
海洋の共鳴
甲板に立ち、声を放った瞬間、計器が狂い、波が高く持ち上がる。
彼女の声は海と呼応し、天からの光が差し込む中、圧倒的な存在感に圧倒される。
光が消えた後、波は静まり返った。
「今のは何だったのか?」
胸が熱くなるが、筋肉は軽く、身体の感触が根底から変わっていた。
天井の影で
大魔術師は、細い瞳で海の向こうを見つめていた。「……海から、大きなうねりを感じる。」何かが動き出した。
「外側」に存在する何かが。
現在のレベル 重り:60キロ(レベルアップ)/時間:10分(二段階目)
【第12話 終わり】