【第一話】伝説のパピルス 〜終わりなき旅〜
「やあ、みんな元気か!」(少年の声) 「えっ、お前は誰かって? ……まあ、強いて言えば『超偉大な魔術師』だった存在、とでも言っておこうかな。チセイ、と呼んでくれて構わないよ。フフン!」
少年のような姿のまま不老不死の魔力に飲み込まれ、肉体を失った存在、チセイ。 彼が遺したパピルスには、超人的な強さと、永劫の美しさを保つ秘術が記されていた。 「誰にでも使いこなせるわけじゃない。だが、不可能なものは作っていないんだ。さて……誰が僕の罠に嵌まるのかな?」
数世紀後。 岩山の修道院の奥深くで眠っていたその禁断の羊皮紙(パピルス)は、一人の「欲深い」海賊船長の手に渡ることになる。
マリン 「何これ、『重力柔軟トレーニング』? まるで弾幕の雨が途切れない、エルデンリングバリの鬼ゲーじゃない!」
もともと、彼女は「運動不足の17歳」を自称する、ふくよかなスタイルの女性だった。 だが、商人からそのパピルスを(不敵な手段で)手に入れた瞬間、運命の歯車が回りだす。そこに記された条件は、正気の沙汰ではなかった。
《パピルスの掟》
異形の体勢: 両足に計20kgの重りを繋ぎ、逆立ち開脚を維持すること。
継続の掟: 週に4回。1年目は5分、2年目は10分、3年目は15分と負荷を増す。
絶対の孤独: 3年間、この行為を誰にも見られてはならない。
「三年……三年も誰にも見られちゃダメなわけ!? 放送で『最近やせた?』って言われても、ぜーんぶ惚けなきゃいけないの? ……くぅ~、キツい! 秘密にするのが一番キツいかも!」
だが、彼女の好奇心と「美」への執着は、恐怖を軽々と凌駕した。 「はるかに続く、若さと美しさ……。ゴクリ……。やるわよ。アタイ、やってやるんだから!」
《スタートの日》
マリンは人里離れた石造りの建物を手に入れた。 すべては「やる気」を形にするため。 「まずは、両足首に10キロずつの重りを繋いで……自力で逆立ちして……。あぎゃっ! 痛っ、床の上なのに180度も開かんやん!」
無機質な石の部屋に、マリンの悲鳴が響く。 重力が、20キロの鉄球となって彼女の細い足首を引きちぎろうとする。 「前途多難すぎるでしょ……。でも……ふふ、面白くなってきたじゃない」
汗と鉄の匂い。 こうして、一人のアイドルの「人間卒業」への旅が始まった。
●現在のレベル
〈隠れ家を手に入れた〉
【第一話 終わり】