第1話
僕は害虫駆除の『ゴキブリエキスパート社』で働くハンター、鈴木コウイチ、32歳。
小さな会社ではありますが、隊長として現場をまとめる役割を担っています。
以前、スズメバチの巣と生体を回収した際に、矢波研究所の歌川さんと出会い、実は彼女に憧れを抱いていました。
鈴木「それにしても、シロアリは本当に厄介ですね。蟻の一種だと聞きましたが。」
歌川「それは違うよ、鈴木くん。シロアリは蟻ではなく、ゴキブリから分岐したゴキブリ目の昆虫なんだ。ちなみに、蟻は蜂から分岐した蜂目の昆虫だからね。」
鈴木「へぇ!そうなんですか!全然知らなかった…」
というような、雑学を学んだ。
歌川さんは見た目が20代後半のように見えますが、正確な年齢は分かりません。
蜂の分類に関する研究で博士号を取得しているそうで、若いのに素晴らしい業績です。
一見すると年下のように見えるのに、ベテランらしい雰囲気を漂わせるミステリアスさも魅力的です。
今回は、ある蜂を巡って再び彼女と会う機会が訪れました。
『物語の舞台 – 矢波ラボ』
ここ矢波ラボは、蜂を専門に研究する研究機関。
チーフの矢波と5人の「研究員」が在籍しており、歌川もその一人。
蜂の生態を調査し、そのデータを元に害虫駆除や作物の育成に関する研究を進め、日々の生活に貢献しています。(たぶんそのはず)
午前11時1分。歌川はまだ姿を見せていない。
チーフの矢波は静かに時計に目をやった。
彼は今日「ミツバチと話す方法」について新しいアイデアが閃いたので、朝5時から研究に取り組んでいたのです。
「歌川はまだ来ていないな」と、ちらりと時計を見ると午前11時1分。
「皆さん、おはようございます!」
その声がラボに響き渡ったのは、ちょうどその瞬間。歌川が到着しました。
[歌川](あれ、今日はチーフはいないはずなのに、どうして来ているんだろう。)
チーフは呆れたように時計をちらりと確認した。
歌川、「実は昨日から大変なことがありまして、父が危篤なんです」
「どちらの父ですか?」とチーフが尋ねます。
実は、歌川の父は10年前に行方不明になっており、皆がそのことを知っている。
「うちの祖母の隣りに住んでいる人の長男なんです。」
それは、赤の他人のような関係ですね…
「さておき、今日はゴキブリエキスパートのハンターとの約束があったでしょう。そちらへ向かってください。」
アイアイサー
歌川は矢波チーフの指示に軽快に答えて、『ゴキブリエキスパート社』のある足立区へ向かうために、何故か楽しそうにしていました。
どんな蜂に出会えるかということ、興味があったのはそれだけです。
【歌川音】
見た目は若いですが、1984年生まれで独身。
蜂の分類に関する論文で博士号を取得できた、記憶力は良さそう。
そして、興味があるのは蜜蜂、狩蜂、花蜂、そして蜂や蟻に関連することだけだった。
『鈴木くんが勤める[ゴキブリエキスパート社]』
東京都足立区○○町に位置する、目立たない路地裏の倉庫のような建物です。
この会社は、40年前に先代の社長が閉鎖されたスーパーの建物を買い取って創業しました。

当社は、ゴキブリをはじめ、蜂、蟻、シロアリ、蜘蛛、サソリなど、さまざまな害虫に対応しています。
私たちは、可能な限り生きたまま捕獲し、回収するプロフェッショナルです。
枯れ葉が舞う早朝の清々しい空気の中、鈴木はいつもの馴染み深い倉庫のような建物へと歩を進めました。
今日は歌川さんが蜂の鑑定に来る日です。彼女は採集した蜂や蟻の種類を調べてくれ、当社は虫を提供します。
「今回捕獲した大きなベッコウバチは、一目で普通ではないと解かる大きさだった。」
歌川さんがこれを見たらどんな反応をするだろうか。そう考えると鈴木は期待で胸が弾んだ。
歌川さんにお会いするので、トイレの鏡で髪を少し整えます。
鈴木くんは体が大きくて力持ち。子供たちからクマのように見られた。
鏡の前に立つ、「ウームいつ見てもいい男だ」
などと思う。
ちなみに綺麗好き、部屋の家事は彼がします。なので奥さんも助かります。
会社での立ち位置ですが、
鈴木は隊長としてハンターをまとめるだけの迫力もあり、体格も相まって、
仲間から『怒ると怖い人である。』と思われていました。
以前シンジがミスをして鈴木くんを怒らせたことがありましたが、
それはまるで「仏様のような怖さ」だったと語っていました。絶対に怒らせたくない人とのこと。
さて「ビッタ分けもヨシッ」とトイレの鏡で決めたあと、これまで捕獲した様々な虫のケージを確認するために倉庫へ向かった。その途中。
器具の準備をしていた後輩のケンが誤って消毒液をこぼしてしまい、鈴木くんの頭にかかってしまいました。
じゅわーっと変な音と臭いがした
「あれっ」
「なにこれ!? あちちちち」と叫びながら、彼はすぐに医務室に駆け込む。
ほとんど無意識にその動作を行った。
年配の山田さんが、迅速に処理してくれたので、大きな痕は残りませんでした。
しかし髪の毛は切り落とされ、自慢だったヘアーがひどく短髪になってしまいました。
鈴木くん
「まいったぜ!」
「やってしまった」と後輩のケン。
「申し訳ございませんっ」これから𠮟られる覚悟で後輩のケンは謝罪に行きました。
数人の仲間が様子を見ている、(気の毒そうな顔をする者もいれば、ほくそ笑む者もいた)
鈴木くん、一瞬顔が引きつった、ケンの髪の毛が汚れているように見えたからだ。
「話は今度する、頭を洗っておけ」
彼的にはすでに悪意はなかった。
今日は歌川さんとの楽しみのこともあり、
さらにとっておきの逸品がある。
ということでショックはそれほどでもなかったのだ。
しかし鈴木くんは人から誤解されやすい、ケンは鈴木の引きつった表情を見て回転しながら落ちていく思いだった。
しかし、こうした不運に見舞われても、鈴木くんは立ち直りが早い。作業用の帽子を被り、今日も仕事に取り掛かるのでした。
『お姉さんが到着した!』
研究所から社用車で約1時間の距離にあります。
彼女は午後1時に到着しました。
午後に入ると、『ゴキブリエキスパート』の倉庫はいつも通りの忙しさに戻っていました。
音
「よろしく、鈴木くん。」
「よろしくお願いします。」
簡単な挨拶が交わされる。
彼女の詳しい年齢は分からないが、20代であることは間違いない。
独身なのは仕事に専念しているからだろうと、鈴木は考えました。
「今回捕まえた蜂は、半島の海岸近くに住む老爺から『大きな蜂がいるよ』との連絡を受けて、僕が向かい、うまく地面を這っているタイミングを狙って捕獲しました。」と鈴木が言った。
音
「さすが鈴木くん、狙った獲物を逃さない執念とテクニックに憧れるー。」
鈴木くん
「いやなに、子供の頃から虫取りが好きだっただけです。」
音
「タマゴバチを見つける視力と棒で叩き落す俊敏さですよね」
「普通の人にはまねできません」
鈴木くん
「さすがにそこまではできませんが⋯」
音
「しかし早いのは確かですね!」
『THE speedman』
鈴木くん
「まぁそうとも言いますね。」(意味がわかっていない)
一方、彼女の興味は蜂や蟻などの虫にしか向いておらず、
男性については関心がありませんでした。
虫のケージを見て回ることが、彼女にとっての楽園である。
「こちらが今回の蜂です。」
そこには多くの虫を収納するケージが並んでおり、
その中の一つには小鳥ほどの大きさの黒い生き物がいました。
見るからに毒々しいその姿に、歌川の目がきらりと光る、ケージの隅には『生体捕獲・ゴキブリエキスパート社』と記されたプレートが貼り付けられていました。
音
(すごい!オオベッコウバチだ!
なんて大きなベッコウバチなんだろう。
おおお、超カッコいい!
この顔、頭の形…
胴体の太さ、足のサイズ、どれをとっても完璧だ。)
(…しかし、これは確かアメリカ大陸にしか存在しないはずなのに、日本では飼育個体も見当たらないのに、一体どうして日本にいたん?)
(鈴木くんはそのことを知っているのだろうか?)
歌川は顔を戻して言いました。
「ふん、見た目は大きいけれど、これは日本各地で普通に見られるベッコウクモバチの一種で、特に珍しいわけではないのよ。」
「日本には約100種のベッコウバチが生息していて、ベッコウクモバチとも呼ばれ、狩蜂というグループに属する単独性の蜂になるのよね。
[解説]
成虫は産卵のために蜘蛛を毒針で痺れさせ、生きたまま土で固めた壺の中に収めて、その中に卵を産みつけます。」
「そして生まれた蜂の幼虫は、まだ生きている蜘蛛を食べて成虫になり、殻を破って出てくるのです。」
鈴木くん
「そうなんですか!なんだかすごい蜂かもしれないと思って期待していたのですが。」
「歌川さんがそう言うなら…
そうかもしれませんね。」と答えた。
いいぞ!ちょろい(歌川のココロの声)
「残念でしたね。ただし、ベッコウバチの個体は不足しているので、
これは私たちの研究所で引き取らせてもらってもいいですよね。」
「本来ならお譲りしたいところですが、難しい課題もあるのです。ですが私の権限でなんとかできないこともありません。」
音(何を政治家みたいな回りくどいこと言っているんだ?)
「その、歌川さん、
勤務は何時に終わりますか?」
音は上の空で答えた。
(だいたい暗くなる頃、暗くなったら。)
何を言われたかわからなかったけど気にせず続ける鈴木くん
「実はすごく美味しいレストランを知っているんですよ。外科医の経験を持つ精神鑑定科の先生が趣味で料理を作っていて。」
「今日は予定しているのです、よかったらいかがですか?」
(思いもよらない提案だが?もしかして蜂のことを疑っているのか?)
(しかしこのオオベッコウバチだけは逃したくない!)
ギュッと手を握る。
そうねー、今日は約束もなかったし本当にタイミングがいいから、喜んで付き合ってあげるんだからね!
なぜか言いながらくるっと一回転した。(年甲斐もなく)
(鈴木は音のくどいようで軽い反応に青春を感じて、少しむず痒い気持ちがした)
こうしてオオベッコウバチが矢波研究所に運ばれる運命かと思われましたが、彼女が向かったのは自宅でした。
『歌川宅』
音の家は外見は普通だが、基礎構造が独特で、立ったまま歩けるほどの地下空間が存在していた。
この場所は当初、特に目的がないと思われていた。

音は子供のころからこの場所が好きでよく出入りしていた。
暗い空間にいると、思い出す。
「私は子供の頃から蜂を捕まえていたけれど、刺されて帰ることもたまにはあった。
そんなとき、優しい母が『大丈夫、死にはしない』とおまじないをしてくれた。」
母が他界するまでの6年間。
「父は10年前に姿を消したけれど、おそらくどこかで生きている気がするの。」
音には弟がいる。
「弟は今、結婚して別々に暮らしているが、しっかり者の私がずっと助けてきたのよ。」(実は逆)
「今日は大きな収穫があったけれど、あのクマ男、本当に蜂のことを知らなかったのかな?それとも何か裏があるのかしら?」
さて、あのオオベッコウバチですが、彼女の家に入った後に出てきたのは普通のベッコウクモバチでした。
オオベッコウバチは一体どこへ行ってしまったのでしょうか?
[解説]
解説 : オオベッコウバチとは、北アメリカ、中央アメリカ、南アメリカに生息する体長6センチに達する大型の蜂です。
幼虫の餌として捕獲する蜘蛛はタランチュラと呼ばれる大型の蜘蛛で、この種の蜘蛛も毒を持って攻撃しますが、オオベッコウバチの速さと強力な刺しで、オオベッコウバチが完勝します。
『レストランでの楽しい時間』
そのレストランは、気を使わずにくつろげる素晴らしい雰囲気で、センスも抜群でした。
さて、歌川さんは約束通りに時間通り来てくれました、そして相変わらず白衣を着ていました。
それでも、彼女にはそれが一番美しく似合うので、問題なしOK!
僕らはどんな関係に見えるのだろうか、鈴木は少し気になりました。
(この時ひそかに二人を見る鋭い視線があった、その視線の秘密は後日明らかになる)
「もし人生が今日までだったとしたら、明日からの日々は贈り物ではないかね?」
気分が良くなった鈴木は、哲学的なことを言う癖がある。
「いや、その理屈はおかしい」と音が反論した。
音は思う
(レストランの味は思ってたよりいいわね。使われている素材はあまりわからなかったけれど。)
(鈴木はあまりお酒を飲まないらしい、私は日本酒が飲みたかった。ワインは苦手だ。)
なので今日はお互い酒も飲まないで坦々と進む。
鈴木
(実はここのコース、精力と費用にはそれなりのものがあって少し経済的に無理をするんだ。)
(しかし、いい雰囲気で盛り上がるという計算がうまくいけば、それも気にならないのです。)
こうしてお互い含みのある楽しい時間を過ごしました。
『食事も終わって』
「車で家まで送るよ」と言って、彼のハイラックスに乗る
音は大きな車はあまり好きではないが、交通費も節約しよう。
「今日はありがとう、今度はアタシが招待する機会を考えておくよ」
「歌川さんのオススメは何ですか?」
「ヤシオオオサゾウムシの幼虫の串焼きとかタケオオツクツクの炒め物なんか口当たりが絶品だったなあ」
(この人の父が好んで食べるので慣れてしまった音)
「昆虫食ですかっ、
そうですねー、蜂の子なんか高級食材と言われますし……」
そうこうしているうちに結局歌川の自宅近くまで来てしまいました。
「あっ、ここでいいよ、ここでいいからね!」
私はずっと手前でそう言いました。
鈴木くんにとっては、ここで終わるのは我慢できない話です。
「まだ早いじゃないですか、特に約束がなければこの後コーヒーでもどうですか?」
思い切って提案しました。
音
(鈴木の目的は何だろう?)
(彼女の思考は回った)
(あの男の目は…そうか蜂だ!あの大きなベッコウバチを、取り返すつもりかもしれない。)
蜂を狙っているのかもしれない!
何しろ彼のハンター能力は、漫画で言えば『A級ライセンス』くらいだと思っている。
実際には害虫駆除にレベル分けなどありませんが。
そしてよく知られているように熊はハチに強い!
音は必要に迫られた時だけまともっぽい答えを出すことができた。
「そうね、ここまで来たんだ、寄っていきなよ、紅茶を出すよ」
そう答えました。
鈴木(これは良い感じかも!浮気だっていいじゃない?)
歌川さんの太ももにそっと手を手を置いて……あれこれと想像する。
彼も男だ、欲望には勝てなかった。
『歌川宅内の出来事』
歌川家は特に目立つところのない普通の家でした。
そう、あくまでも表向きは普通でした。
しかし、これでも鈴木は一応虫のハンターであります、普通では気づかないような微細な信号を無意識に感じ取っていました。
しかし、その感覚は歌川さんへの想いにかき消されてしまっていたので、意識への信号に繋がらずに過ぎた。
「鈴木くん、帽子好きなの?」
(短くなった髪を気にして帽子をかぶっていた。)
「ハンターだからですか?まあ帽子も似合ってていいんじゃない。」
ずっと帽子をかぶっている田中、そんな彼を深く気にしない音。
歌川はソファに腰を下ろし、コーヒーではなく紅茶を淹れ始めました。
(歌川さん紅茶好きなのか?)ローズヒップの香りが部屋に広がる。
蜂蜜を少しもらう、歌川さんは甘いの好きなのか?たくさんカップに入れていた。
紅茶をグイっと飲んで鈴木は言いました。
「人の原動力は想像力にあると言っても過言ではないと思うけど、どう思う?」
(何が?)
「美味しいものを食べられれば満足できるし、いい車に乗れれば気分が良くなる。素敵な女性がいれば心も満たされるだろう。
そう思わなければ欲しくならないよ。」
「人の原動力なんてくだらない。それよりも、蜂が何を考えているのかの方が生産的なんですよ。」
「蜂の場合、例えるならやり場のない怒りかな。きっと人に痛みを与えることに命をかけているんだ。」
気分が良くなった鈴木は、哲学的なことを語りながら無意識に歌川に近づいていきました。
「ねえ、ちょっとだけだから」「ちょっとだけだよ。」
その瞬間、音は何かの気配を感じ取り動きを止めました。鈴木は近づきました。
(この部屋には二人の他に何かがいる)
鈴木はまだ、その小さな悪魔の存在には気づいていません。
彼の手が歌川の膝に触れそうな瞬間、鈴木の膝に強烈な一撃が走った。
「うぎゃっ!」
どうしたらこんな声が出るだろうか?
おもわず歌川は突き飛ばされる、それは後ろにひっくり返ったくらい強い力だった。
ガンッ!音は頭をテーブルにぶつける。
音
「アイタタタ」
「どうしたの、いったい?」
「うー、痛くて熱くて怖いくらいに、何かが刺さってる感じ⁉」
「ズボンを脱いで見して!」もちろん何も刺さって無い。
でも音にはそれが分かっていた。
予感が的中した。
(やっぱり)
昔はいたずらが好きで、先生に見つかると「やっぱり歌川だ!」と言われたことを思い出す。
「虫刺されね。」
間違ってはいないはず。
「いやいや、普通の虫刺されじゃないですよ!」
『アシナガバチ』や『すずめバチ』に刺された経験はしていたので、その時の焼けるような感覚は知っていた。
でも、今の感じ方は足の甲の上に金塊2トンが落ちたのかと思ったほど。
鈴木はこぶしをぎゅっと握って我慢した
昔から何かこらえるとき癖になっている『泣かないもんコブシ』を無意識に行っていた。
(『こぶしメソッド』と彼は呼んでいる)
「あらら、いたずらっ子は私の飼っているアリだったわ。」
そう言って歌川さんが摘まみ上げて見せたのは2〜3センチはありそうなアリでした。
「蟻ってこんな生き物だっけ?」
外国のアリについては詳しくなかった鈴木には信じられませんでした。
「昨日、蓋を閉め忘れて逃げた数匹の中で、回収できなかったのが一匹いたの。それがここにいたんです。」
偶然、たまたまなんですよ!
鈴木くん
「僕はツイてなかったの?」
音
「そうですね」
少し気の毒に思い、日本の古くからあるおまじないをしてあげました。「痛いの痛いの飛んでいけー」っと
(そしてかつて母親がしてくれたように)
歌川がアリに刺された部分にキスをした。
「大丈夫、死にはしないんだから」
彼女なりのサービスだったのかもしれません。痛かったけど、少し嬉しかった。
いや、そうではなくて、これは浮気の罰かもしれない。
鈴木くんはそうとも思い、痛くて嬉しい気持ちになりつつも、
妻に申し訳なく思っています。
*************
後日歌川さんに会う機会があって、
アリの正体を聞いてみました。
趣味で蟻のマニアの方からネットで購入して育てているとのこと。
歌川さんに「あなたは刺されないんですか?」と尋ねると、
「私とアリとは心が通じ合っているから、刺されることは絶対にないんです。」
などと彼女は答えた。

第一話 終わり