今回のお話は、ワンパクな少年と少し痛いお母さんが「記憶に関する誤解」を実際の体験を通じて語る物語です。
「記憶って実はこういうことだったのニャ!」(=^・^=)

登場人物
ヒロユキ君
ヒロユキ君の母 (ティセ)
猫ちゃん

パートワン

『母、比較してしまうの巻』

ヨシノリ君の母は、成績が良い他の子供たちを見てこう言いました。


「あの子は本当に優秀で、親も鼻が高くて羨ましいわね。」

ヨシノリ君
(何言ってやがる、俺の出来が悪いのは親のあんたの責任もあるでしょうが)と無言の声で言いました。

[解説

ヨシノリ君の気持ちには一理あります。

もちろん、他の子を褒めるのは悪いことではありません。
でも、自分の子供を他人と比べるようなことは避けるべきです。

能力は同じ土俵にあるのです。
料理の素材は同じと考えてください。
ただし、無意識のうちに使う頭のスパイスが異なるため、成績に差が出るのです。
その秘密は記憶法という現象に過ぎません。

パートツー

『ヨシノリ君の母、パートで苦労するの巻』

ヨシノリ君の母は、家計の足しにしようとホテルの客室清掃のパートを始めました。

先輩が指示を出します。
「これはここで、あれは上で、チェックはここにして…」


「はひー!もっとゆっくりお願いします!」

覚えることが多く、驚きながら四苦八苦しています。

そんな中、同じ日に入ったにもかかわらず大学生のバイトは、すぐに覚えて楽しそうです。


「やっぱり若い人は覚えるのが速くていいわねぇ」

[解説

お母さん、そんなことは決してありません!
実は、記憶力は「年齢で劇的に落ちるわけではない」ことが、研究で明らかになっています。

筋肉と同じで日々の能力パワーアップがないと衰えます。
さらに、記憶の質は星座のように結びつきで強くなります。
趣味や雑学など何にでも興味を持って楽しんでる人はこれが強いのです。

若い学生が早かったのは、
単に記憶の星座が日常的につながり続けているから
というだけの話なのです。

パートスリー

『母さん記憶法を誤解するの巻』

今日家庭訪問の日。
なので洋先生に息子のことを相談します。

わざわざ化粧なんぞしてワクワクしながら待ちました。


「ヨシノリったら遊んでばかりで、今期の成績も最下位なんでしょう?
昨日もケンカしてきて母さん恥ずかしい思いばっかしているんですよ」

洋先生は少し吹き出しそうになったのをこらえて言いました
「大丈夫ですよ子供の個性には個人差がありますからね、ヨシノリくんの良さは成績では計れないんです。」


「しかしながら物覚えが悪いんで心配です。
先生、記憶法ってテレビで見たんですが、あれ、ヨシノリでもできますか?」

洋先生
「記憶法ならとっておきの方法がありますよ」


「ホントに!ぜひぜひ教えてください!」

洋先生
「いいですよ、ヨシノリくんに教えましょう。」

そう言って、洋先生は年代物のコニャックをいただいて帰りました。

【1週間後】


「ボン、記憶の勉強してる?」

ヨシノリ君
「やってるよ」


「どのくらい覚えたの?」

ヨシノリ君
「今月はoctoberなんだ」


「何、それだけ?」

ヨシノリ君
「そうだよ!」

ヨシノリ君
「来月は次の月を覚えなさいって言われたんだ!」


「まさかの……毎月ひとつ……?」

…その後、機会があったので洋先生に尋ねてみました。


「先生、記憶法って10分で単語を10個覚えるみたいな“裏技”じゃなかったんですか?」

洋先生
「お母さん……それがよくある誤解なんです」

[解説]

お母さんのように、魔法のように短期間で大量に覚えられるのが記憶法だと思ってる方は多いですが、それは記憶法のほんの一側面でしかありません。

人は一度にたくさんのことを覚えたいと望みますが、
実際には――
人間の脳は多くても一度に3つ程度のことしか処理できません。

大量の情報を一度にインプットしようとしても脳が疲弊し、無理だと感じて挫折します。
その結果、ほとんどの人はゼロで終わってしまうんです。

でも、今回ヨシノリくんが行っているように
月に一つ『細分化』
10月だからoctober『意味づけ』
来月はnovember『継続』
という3本柱で行えば1年後には12ヶ月の月の英語名を確実に覚えて、しかも忘れにくい記憶が形成されます。
(さらに習慣の力と能力の底上げと、自分にも出来た!という自信度が後の人生に効いてきます)

その後、ヨシノリ君の母も時間はかかったものの先生の理論が少し分かり始め、
ヨシノリ君の成長を楽しみにしながら、今日もホテルの仕事を頑張っています。

おしまい