2025年 12月 の投稿一覧

31日目🍵 シズ子流 至高のお茶の時間:DMNと覚醒の黄金比

第一章:シズ子さんの哲学

『シズ子さんのこだわりお茶の時間』

お茶の時間。それは、私にとって一週間の営みを整える、最も神聖な儀式です。

今週は、家政のましろさんをお迎えしました。

シズ子さん

「いつもお疲れ様です。今日は、あなたの労に報いる特別なお菓子をご用意しましたのよ。」

ましろ

「うっ……」

シズ子さん

「遠慮なさらず。どうぞ。この瞬間を心ゆくまで味わうことです。」

ましろ

「い、いただきます。」

シズ子さん

「あなた。お茶を楽しんでいる時に、余計な雑念は不要よ。」

「お茶や食事を心から味わっている時というのはね、脳科学でいうところのDMN(デフォルト・モード・ネットワーク)と、外界への意識的な覚醒絶妙に重なっている、極めて貴重な状態なの。」

「古来より、茶道や食事作法、会食やおもてなしが重んじられてきたのは、賢人たちが、この『間(ま)』と『味わい』こそが人間を深く整えると知っていたからに他なりません。」


第二章:現代の警鐘

シズ子さん

「それなのに、最近の風潮はどうでしょう。」

「食事中にスマホを弄る。お茶を飲みながら動画を流し、多重タスクを是とする。」

「五感で感じるべき『味わい』も、思索を深めるべき『時間』も、自らの手で投げ捨てていることに気づいていない人が多くて、大変に残念だわ。」

ましろ

「ありがとうございます、セニョリータ。今日のおもてなし、心より感謝いたします。」

シズ子さん

「それはよろしかった。」

「では、こちら。厳選したお菓子が52個ございますので、残さず召し上がってくださいね。」

こうしてましろは、

DMNが発動する前に、満腹中枢の許容量が崩壊するという、シズ子流の究極の試練を乗り越えることになったのでした。

おわり


第三章:【専門的補足】DMNを活用し、人間関係を円滑にする知恵

デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)は、脳が特定の課題を遂行していない「休息時」に活動する、基盤となる回路です。このネットワークは、記憶の整理自己への内省、そして新しいアイデアの統合といった、認知機能の深層作業を担っています。

📌 DMNの尊重と社会的調和の三原則

1. 🍽️ 食事中の沈黙を尊重する(DMN-覚醒の黄金律)

食事中は、単なる栄養摂取の行為ではなく、五感を通じた対象への深い集中(覚醒)と、内的な思索(DMNの静かな活動)が同時に進行する『非日常の集中状態』です。

【専門的見解】 この貴重な時間において、むやみに話しかける行為は、タスク・ポジティブ・ネットワーク(TPN)の不必要な活性化を招き、DMNによる深い内省や記憶の統合を阻害します。結果として、『時間の浪費』どころか、『質の高い休息と回復の機会の喪失』に繋がります。

2. 🤫 黙している者への配慮(内省の中断回避)

日本文化では「沈黙は悪」と捉えられがちですが、人が黙っている時、脳は『情報処理の最適化』段階にあります。これはDMN活動の重要な現れです。

【専門的見解】 外部からの不用意な介入は、この認知的なフローを寸断します。一度途切れたDMNの活動状態を完全に再構築するには、相当な認知的コストを要します。相手の沈黙は、『創造的休憩』のサインであると認識し、不要な干渉を避けることが、相手の知的生産性を尊重する最良の策です。

3. 🚶 身体活動と思索の連動性(運動とDMNのシナジー)

歩行や単純な反復作業(拭き掃除、衣服をたたむなど)は、『非注意下のタスク遂行』となり、意識的なリソースを解放します。この時、DMNが活性化しやすくなり、『ひらめき』『問題解決の統合的な視点』が生まれやすくなります。

【専門的見解】 この身体と内省のシナジーが働いている状態を中断することは、閃きの源泉に水を差す行為に等しいです。管理職や教育者は、部下や生徒がこのような活動を行っている最中は、安易な介入を避け、DMNによる『無意識下の問題解決』の機会を提供することが極めて賢明です。


この哲学を理解し、日常の「間」を尊重することこそが、真の人間的豊かさと、洗練された人間関係を築く鍵となります。

シズ子流のお茶の時間は、単なるおもてなしではなく、脳科学に基づいた究極のウェルビーイングなのです。

30日目 「覚えていないのに脳が疲れる理由」〜動画・SNSが静かに奪う“主導権”〜

覚えていないのに、なぜ脳は疲れるのか

動画やSNSをたくさん見たあと、 「何を見たかは思い出せないのに、妙に疲れている」 そんな感覚を持ったことはないでしょうか。

これは怠けでも、集中力の低下でもありません。 脳の仕組み上、きわめて自然な現象です。

登場人物

  • ショコ:動画ばかり見ている人
  • ミュラ:ショコを指摘する友達
  • チャム:面倒見がよく尊敬されている優等生

〖会話〗

ミュラ
動画を見ていると脳が疲れると聞いたよ。

ショコ
それは、頭を使うコンテンツだからなんだ。僕にとって、動画やSNSは勉強と頭の刺激になっているよ。最近は倍速モードにも慣れてきたしね。

ミュラ
じゃあ、昨日覚えたことを教えてよ。

彼女の話には統一感がなく、右寄りの意見が多かった。

ミュラ
それだけなの?

ショコ
もっと知っているよ、すぐに言葉に出てこないだけなんだ。

[解説 1 ]

動画やSNSを見ている間、脳は常に次の作業をしています。

  • これは重要か?不要か?という判断
  • 音・映像・文字の統合処理
  • 感情反応(驚き・不快・共感)
  • 次を見るかやめるかの選択

結果として、

  • 記憶に残るのは20%以下
  • しかし処理コストはほぼ100%

という、非常に効率の悪い状態が生まれます。


チャムが2人に語りかけました
誰も言わないようなので、教えておきますね。
残念ながら、動画やSNSは脳をとても疲れさせるだけで、あまり効果的ではない方法なのです。
例えるなら、ゴミかどうかわからないものを一日中仕分けさせられている状態です。
しかも、捨てた成果は何も残らず、ただ疲労だけが蓄積されるというわけです。

[解説 2 ]

情報の主導権が、脳の外にある

動画やSNSでは、

  • テーマは勝手に切り替わる
  • 感情の振れ幅が大きい
  • 終わりが見えない

脳は常に「次に来るもの」に備え続けます。

これは、 軽い判断を何百回も強いられる状態

疲れないほうが不自然なのです。


ショコ
でも、動画やSNSって、情報も速く幅広い知識が得られるんじゃないの?

チャム
「それは多くの人が勘違いしているところなのよ。
どこへ行くかわからない車に乗せられるより、自分で操作している車の方が安心でしょう?
自分で決めた時間に読書や勉強をするほうが一番疲れにくくて、効率がいいということ」

[解説 3 ]

読書・思索・創作など、 自分で考えているとき、脳では次のことが起きています。

  • 情報の入口を自分で絞っている
  • 目的が明確
  • 情報同士が結びつき、構造化される

脳は「処理」ではなく 構築モードに入ります。

構築はエネルギーを使いますが、

  • 理解
  • 納得
  • 発見

という報酬がある。

だから疲労が 「消耗」ではなく「使用感」になります。


ショコ
でもコメント欄とかで意見を言ったり、人のコメントに反応したりするのは「能動的」じゃないの?

チャムの言葉

「それが最大の罠になっているのよ。」

コメントを投稿したり、反応を読むことに伴う恐れは、
「理解した」という錯覚を生むことです。

しかし、動画という大きな流れの中では、
本質的な知識の定着や目標達成には寄与しない――
それは単なる「脇道」に過ぎません。

むしろ、他人の意見に感情が揺さぶられ、
脳はさらに無駄に疲弊していく原因となります。

だからこそ、私は動画は一切視聴せず、
SNSも必要最低限に留めています。
それでも何の問題もなく、
日記を書くことで毎日がとても充実していますわ。


ショコとミュラ
チャムさんが言うのだから、僕たちも見習ってみようかな。

ショコさんはその後、動画やSNSを控えたことで、代わりに趣味や読書が充実するようになったそうです。

おしまい


倍速視聴の「本当の危険」

ここからは、動画の倍速がなぜ危険なのか?に入ります。
関心のある方は見て行ってください。

🔹 危険①:理解した“錯覚”が起きる

倍速でも脳は追いつけます。
しかし追いついているのは「音」だけ。

  • 意味の咀嚼
  • 他の知識との接続
  • 自分なりの解釈

これらが丸ごと省略されます。

👉
「分かった気がする」が増え、
「説明できること」が増えない。


🔹 危険②:脳が“常に急がされる状態”を学習する

倍速に慣れると、脳はこう誤学習します。

ゆっくり=退屈
間がある=無駄

結果、

  • 本が読めない
  • 人の話が長く感じる
  • 考える前に結論を欲しがる

思考の耐久力が落ちていきます。


🔹 危険③:「速さ=賢さ」という勘違い

本当に賢い人ほど、

  • ゆっくり
  • 何度も止まり
  • 同じところを考える

倍速は、
理解の速度ではなく、消費の速度を上げるだけ。
お寿司屋に行って味わわずに、半分の時間で詰め込んで帰るようなもの。


🔹 決定的な一言

倍速で得られるのは「時間」ではなく、
「理解したという錯覚」である。


最終章

【ここからの指摘は危険なので注意してお進みください】

ここから先は、
誰かを傷つけるための話ではありません。
ですが、読む人によっては「自分の居場所」を揺さぶられるかもしれません。

それでも進む方だけ、お読みください。


動画依存にはコメントといいね!がセットになっている

SNSや動画のコメント欄に書き込むと、
たとえ一言でも「参加している感覚」が得られます。

・誰かに見られている
・誰かと同じ場にいる
・自分は一人ではない

これはとても自然な感情です。
人間は社会的な生き物ですから。

日記やメモは違います。
誰にも見られず、反応も返ってきません。
完全に「自分と向き合う行為」です。

この差は、想像以上に大きい。


コメントは「思考」ではなく「接続」

コメントを書く行為は、
深く考えることよりも つながること が目的になりやすい。

・共感されたい
・ズレていないか確認したい
・孤立していないと感じたい

だからコメントは気持ちよく、
だからこそ何度も書きたくなります。

でもここで、ひとつだけ厳しい事実があります。


孤独に耐えられないと、思考は深まらない

深い思考は、ほとんど例外なく
孤独な時間の中でしか生まれません

誰にも評価されず
誰にも肯定されず
誰にも見られていない状態

この状況に耐えられる人ほど、

・考えが長く続き
・自分の言葉を持ち
・流行や空気に振り回されにくい

という傾向があります。

逆に言えば、
常につながっていないと不安な人ほど、
思考は浅く、断片的になりやすい。

これは性格の善し悪しではありません。
環境と慣れの問題です。


本当に怖いのは、孤独ではない

本当に怖いのは、

・一人でいる時間をすべて埋めてしまうこと
・沈黙に耐えられなくなること
・自分の考えを持たなくなること

コメント欄は、
孤独を和らげてくれます。

でも、
孤独からしか生まれないものもある

それを知らないまま大人になると、
一生「誰かの言葉」で考えることになります。


最後に

もし今、

・動画やSNSがやめられない
・一人の時間が落ち着かない
・何かしていないと不安

そう感じたなら、
それはあなたが弱いからではありません。

ただ、
「考える時間」が足りていないだけです。

静かな時間は、
退屈ではなく、
思考が育つ場所です。

29日目 音ちゃんの『絶対に明日からやるんだもん!』宣言

適当なのに勉強はパーフェクトだった父親の洋と、
生意気で憎たらしい盛の娘(音)と母のアッキを通じて。

今回は、新しい習慣を始める際の心理に迫ります。


第一部

音ちゃんは日ペンの稽古を始める決意をしました。
(音は字が汚い、絵も謎レベル)
教材も購入し、いつでも始められる状態なのに、自分の好きな虫の観察に夢中で放置しています。

それを見たママのアッキ(亜希)は言いました。

「日ペンの練習を始めるんじゃなかったの?」

音はこう返します。

「絶対に明日からやるんだもん!」

アッキ「そんなこと言っていたら!先延ばしになっちゃうじゃないの?」

その時、洋(父親)が口を出しました。

「明日やるというのは、単なる先延ばしではなく、自己防衛本能なのだよ。」

えっ、それは本当なの?

「専門的に言うと、人は自分を有能な存在でいたいと願っている。
心理学では自己価値維持、つまり self-worth protection というんだ。」


洋の解説 1

行動を始めたら…

  • 出来なかった
  • 続かなかった
  • 自分の弱さが見えてしまった

などの結果が残酷に見せつけられてしまうだろう、そうなると
『自分は凹んでしまうかもしれない……。』
と意識する。

そのため、脳は無意識に判断します。

  • 「やらなければ失敗はしない」
  • 「明日やることにすれば一時的に安全策」

これが心の保険の正体です(しかも保険料は不要)。

洋は続けます。

「つまり、先延ばしは怠けではなく、自分という評価対象を守ろうとする高度な自己防衛でもあるのだよ。」

音「そうだよ、えっへん!」

洋の解説 2

又は、先延ばしを支えるのは「期待価値理論」です。

行動経済学では、人は行動する前に無意識に「期待値の計算」を行うと言われています。

行動の期待値は次のように計算されます:

得られる報酬(スキル)× 成功確率(約40%)− 失敗時の損失(かかった時間や努力が無駄になる)= 期待できる最終的な価値(始めないほうが良いかもしれないという予感)

この式において、先延ばしする人の脳は、
成功確率を低く見積もり、失敗の損失を過大評価し、今動くことの価値を低く判断します。
このため、「今はやめておこう」が合理的に感じられますが、実際には非合理なのです。

心の中では密かに計算が行われ、その結果「明日やることが正しい判断だ」と思ってしまいます。

ニヤリと笑う父親。

「アタシはそんなことないんだもんっ!」

洋の解説 3

実は未来への幻想も大きな要因です。

心理学では「時間的不一致」という概念があります。
人は未来の自分が今の自分より優秀だと信じているのです。

あなたは否定できますか?

明日の自分なら集中できる
明日の自分ならやっている
明日の自分は心構えが違うはず

これらは幻想に過ぎません。脳にとっては強力で魅力的な逃避方法です。

したがって、「明日の自分なら失敗しないし、安心だ」という未来への丸投げが心の保険として契約されているのです。

「もちろん明日のアタシは今日よりも勝っている!」

洋の解説 4

神経科学的に言うと、先延ばしは扁桃体の恐怖や不安感と、前頭新皮質(意思決定や長期的判断)の間で起こる綱引きによって生じます。

扁桃体が「失敗したらどうしよう」と考えると、前頭新皮質はその不安を和らげるために
「今日はやめよう。明日で十分」
と判断してしまいます。この脳の強い働きに逆らうことは元々難しいのです。

「それでもアタシは絶対に明日やるんだもん!」

第一部まとめ


第二部

音は父親に言いました。

「それでも、ちゃんと宣言通りに明日から始めたら問題ないやんか!」

洋は言います。
「そこで大切なことを見落としているよ!実は今日か明日は同じ一回でも、価値が違う。どっちにするかで成長の差が明確に違うんだよ。」

音「なんでなの、何で違うの?」

「行動の価値は単体の回数ではなく、連続性で決まる。」

洋の解説 1

脳は行動が連続したときに初めて神経回路を強化します。
これはヘッブの法則(Hebbian learning)と呼ばれる有名な原理で、
「いっしょに働く細胞は繋がりやすくなる」と言われています。

つまり、今日やった行動と明日やる行動が連続した瞬間に脳は学習を加速させるのです。
今日何もしなかったら、明日の一回目は孤立した行動になります。


洋の解説 2

だから、明日一回目をやるよりも明日二回目をやる方が圧倒的に伸びるというわけです。
脳科学では、二回目の行動の方が神経結合の強化が大きいことが知られています。
簡単に言うと、昨日の活動の痕跡がまだ脳内に残っているので、神経がプライミング状態に入っているのです。

したがって、

今日やる → 明日の二回目がブーストされた学習になる
今日やらない → 明日やるのはゼロからの立ち上げになる

数字上では一回ですが、脳の内部では別物になります。

「明日やって翌日もやれば結局は同じじゃないの?」

洋の解説 3

では、今日を逃すとどうなるか説明しましょう。

  • 神経回路の成長率が落ちる
  • 明日のパフォーマンスが落ちる
  • さらに翌日もやる気が出にくくなる

という連鎖的な低下が起こります。結果として、単に一回分失っただけではなく、成長率そのものを低下させるという大きな損失になるのです。


アッキ「ちょっと音には難しすぎるんじゃないかしら?」

(ムムム、なんだかよく分からないけれど、分かったことにしよう)

「生意気な盛りには難しい話をして凹ますのが僕の楽しみなのさ。」

今回のまとめ

「明日からやろう」これは誰もが経験しているのではないでしょうか?

時間がないですか?

では、1分だけ、開くだけでいいのでやってみてください。
これだけで今日がロケットの発射になるのです。

ですが、やっぱりやらなかったら?

その明日は、今日の一回を失っている明日になるのです。

おしまい。

28日目『英語?カタカナ語?』すぐに理解できない本当の理由

タケシの話① 〜宅配便編〜

こないだタケシは宅配便の人に、
「支払いはキャッシュレスできますか?」
って聞いたんです。

すると相手はまさかの、
「キャッシュレスって何ですか?」

タケシ「え、あ…えっと…現金以外ですよ。カードとか」
説明したらようやく通じて、
「使えません」
と返ってきたそうです。

タケシは思った。
(キャッシュレス知らないとか…ちょっと笑えるな)
と。

で、この出来事をSNSに投稿したり、仲間内で語って盛り上がってたんですね。


タケシの話② 〜免許更新センター編〜

数日後。

タケシは免許更新へ。
流れ作業で案内され、支払コーナーへ到着。

エネキーで払うつもり

EneKeyは持ってるな、
タケシはポケットの中を確認してつぶやきました。

そう思っていたら、案内の女性がだしぬけに、
「キャッスレスですか?」
と聞いてきた。

タケシ「……えっ?」
脳内、突然のフリーズ。

キャッシュレス=現金以外
そんな単純な式が出てこない。
ついこの間あれだけ偉そうに語っていたのに。

数秒後、ようやく回路がつながり、
「あ、キャッシュレスです…です」
と答えるタケシ

その瞬間ふと思った。

お土産屋さんの
「現金のみでお願いします」
って、なんて日本人に優しい表現なんだろう…と。


【解説】

言葉というのは、
「知っている」だけでは使いこなせません。

脳はまず“音としての言葉”を受け取り、
そのあとで“意味の回路”につなげることで
ようやく理解にたどり着きます。

ところが、この意味回路は
普段どれだけ使っているかで太さが変わる。

つまり、
何度も聞かされている言葉は
反射のようにスッと理解できる一方、
知っているはずなのに、
めったに使わない言葉は回路が細くなり、
つながるまでにワンテンポ遅れる。

今回のタケシくんは、
「キャッスレスですか?」と聞かれる→キャッシュレスは現金以外→僕の持っているのはEneKey→つまり、現金ではない→だからキャッシュレスである。

理解できるまでこのような思考の流れがありました。


まさに“知っているけど理解が遅れる言葉”の典型例ですね。

そしてここで大事なのが——
言葉の理解を早くしたいなら、
記憶と同じで「繰り返し」と「予測」が鍵になる。

ということ。

『つまり、何度も聞かされている言葉は反射でわかるようになる。
知ってても使わなくなった言葉は回路に繋がりにくい、よって理解が遅れる。
言葉の理解を早くするには繰り返しと予測が重要だったんです!』

#日常の気づき #今日の小話 #言語の不思議

27日目『本当は怖い!意識が今から離れるDMM』現実に帰る方法

矢波研究所は、5人ほどの小さな蜂の研究所です。
チーフは知識に満ちた人物ですが、研究の合間に本気で蜂と会話を試みるため、音たちにとっては「お父さんのようで、時折とても変わった人」でもあります。

[矢波研究所]

最近、継続と習慣の重要性を音から教わったミエちゃん。
しかし、最近彼女はソワソワしており、気持ちが落ち着かない様子です。

音が尋ねました。
「どうしたの?ミエちゃん」

ミエちゃんはこう答えました。
「実は、カードの支払いが溜まっていたんだけど、今月パパからのお小遣いでお金が入る予定なの。でも、やっと終わるかと思うと、つい先のことばかり考えちゃって。」

「それは良かったわね。コートやカバンなど、衝動買いしてたもんね。」

その指摘は痛いけれど、不安がなくなったら「こうしよう、ああしよう」と夢が膨らむのです。

その様子を見たチーフが言いました。
「今日やるべきことはできていますか?」

少ししょんぼりしたミエちゃんが答えました。
「実はあまり出来てないんです。」

チーフは続けて言いました。
「昨日までちゃんとできていたのに、手を抜いてしまっているのですね。」

ミエちゃんは言いました。
「実はあまりできないんです。でも、なぜでしょうか?やらなければと思うのに。」

チーフの解説:
「人間の脳は安全のために過去の失敗や未来のリスクを予測するようにできています。したがって、心は初期設定にもどるのです。
自分を責める必要はありません。

しかし、習慣や継続には適切な意志力も必要です。心が過去や未来に滞在すると、意志力が削がれ、当然今日やるべきことが後回しになります。」

ミエちゃんが尋ねました。
「後悔や不安だけでなく、期待やワクワク感でもですか?」

チーフ
「良いことを考えていても、同じように意志力は減少します。むしろ、未来の理想に固執すると、今の地味な作業が退屈に感じるのです。」

ミエちゃんは驚きました。
「そうだったんだ!」

チーフ
「心が過去や未来にいる時に活動する回路があります。脳科学ではデフォルトモードネットワーク(DMN)と呼ばれています。」

音が言いました。
「それ、最近聞いたことがあります!」

チーフ
「DMNが強く働くと、

  • 集中力
  • コツコツした継続
  • 今ここにある時間の感覚
    これらが弱くなります。特に未来のことを考えすぎる時は、DMNが強く働くと言われています。」

ミエちゃんは決意しました。
「考えすぎないようにしなきゃ!」


「デフォルトモードネットワークって『ぼーっと』している状態のことだとテレビで聞いたんですけど?」

チーフ
「それもまたデフォルトモードネットワークの状態です。しかし、DMNはただぼーっとしている時間だけではありません。『何も考えていないようでいて、心が過去や未来に旅している状態』なのです。」

  • さっきの会話、あれでよかったかな?
  • 今度の休み、何かあったっけ?
  • あの時こうすればよかったのかも…

こうした思考の時にDMNのスイッチが入ります。そして、気がついたら10分が経っていたり、やるべきことが後回しになってしまうことが起こります。

ミエちゃん
「DMNって、ずいぶんな悪者なのね!」


「でも、時にはぼーっとする時間も必要だと偉い人も言っていましたよ。」

チーフは言いました。
「もちろん、DMNは決してただの悪者ではありません。脳が持つ正常な機能であり、むしろ悪いどころか創造性の源でもあります。DMNが働いている時の心は、過去や未来に迷走しているだけではなく、

無意識に情報をつなぎ直感やひらめきが生ま新しいアイデアの下地が作られます。
これらは創造の準備運動のような働きもしています。」

  • お風呂に入っている時
  • 散歩をしている時
  • ひたすら拭き掃除に専念した時
  • ぼんやりしていた時

こうした時にふっと解決策などが浮かんでくることがあると思います。これらはDMNが働いてくれた証拠です。

音は感心しました。
「さすがチーフね!ただの昆虫マニアではなかったんですね!」

チーフも言いました。
「……音さんもさすがです。いつもぼーっとしているのはアイデアを生むためだったんですね。」


「……。」

【結論】

DMNは今を奪う回路でもありますが、ひらめきを生む回路でもあります。

人間生活というものは。
覚醒している時か、ぼんやりしているとき(悪く言えば昼行灯)の二択というより、
行ったり来たりする振動運動なんです!(どちらも必要)

ここで大切なのはDMNに気づいた時、現実に帰ることです。
その方法は自分で見つけることもできますが、参考までに、
音さんが素数を記憶するときに使うフレーズ法をお伝えします。

《あくまでも例文》

  1. そっとビート刻む誰も気づかない(赤)
  2. とてもかすかにそれは始まる(橙)
  3. 幾億年の時を超え(黄)
  4. その続きへ光に乗って(緑)
  5. 不思議な出来事に僕らはためらったね(青)
  6. 途方もないことが起きている(紫)
  7. 音波の洪水の中に(桃)
  8. 泳ぐ君を見つけたよ(茶)
  9. 淡い影だけの姿(白)
  10. 何かを求め手を伸ばす(黒)

お気に入りの歌の歌詞を10のフレーズに分け、それぞれに丸い色をイメージします。
それを口ずさむことで現実に戻る儀式的なスイッチにしています。


過去の痛みも未来の不安も抱えて生きていますが、それは悪いことではありません。
ただ、
気が付かないうちに今が薄くなっていませんか?
そんな時は、あなたのスイッチで帰ってきてください。

26日目『もっとゆっくり⁉』焦らずに進めるライフプラン。


今回のお話は、ワンパクな少年と少し痛いお母さんが「記憶に関する誤解」を実際の体験を通じて語る物語です。
「記憶って実はこういうことだったのニャ!」(=^・^=)

登場人物
ヒロユキ君
ヒロユキ君の母 (ティセ)
猫ちゃん

パートワン

『母、比較してしまうの巻』

ヨシノリ君の母は、成績が良い他の子供たちを見てこう言いました。


「あの子は本当に優秀で、親も鼻が高くて羨ましいわね。」

ヨシノリ君
(何言ってやがる、俺の出来が悪いのは親のあんたの責任もあるでしょうが)と無言の声で言いました。

[解説

ヨシノリ君の気持ちには一理あります。

もちろん、他の子を褒めるのは悪いことではありません。
でも、自分の子供を他人と比べるようなことは避けるべきです。

能力は同じ土俵にあるのです。
料理の素材は同じと考えてください。
ただし、無意識のうちに使う頭のスパイスが異なるため、成績に差が出るのです。
その秘密は記憶法という現象に過ぎません。

パートツー

『ヨシノリ君の母、パートで苦労するの巻』

ヨシノリ君の母は、家計の足しにしようとホテルの客室清掃のパートを始めました。

先輩が指示を出します。
「これはここで、あれは上で、チェックはここにして…」


「はひー!もっとゆっくりお願いします!」

覚えることが多く、驚きながら四苦八苦しています。

そんな中、同じ日に入ったにもかかわらず大学生のバイトは、すぐに覚えて楽しそうです。


「やっぱり若い人は覚えるのが速くていいわねぇ」

[解説

お母さん、そんなことは決してありません!
実は、記憶力は「年齢で劇的に落ちるわけではない」ことが、研究で明らかになっています。

筋肉と同じで日々の能力パワーアップがないと衰えます。
さらに、記憶の質は星座のように結びつきで強くなります。
趣味や雑学など何にでも興味を持って楽しんでる人はこれが強いのです。

若い学生が早かったのは、
単に記憶の星座が日常的につながり続けているから
というだけの話なのです。

パートスリー

『母さん記憶法を誤解するの巻』

今日家庭訪問の日。
なので洋先生に息子のことを相談します。

わざわざ化粧なんぞしてワクワクしながら待ちました。


「ヨシノリったら遊んでばかりで、今期の成績も最下位なんでしょう?
昨日もケンカしてきて母さん恥ずかしい思いばっかしているんですよ」

洋先生は少し吹き出しそうになったのをこらえて言いました
「大丈夫ですよ子供の個性には個人差がありますからね、ヨシノリくんの良さは成績では計れないんです。」


「しかしながら物覚えが悪いんで心配です。
先生、記憶法ってテレビで見たんですが、あれ、ヨシノリでもできますか?」

洋先生
「記憶法ならとっておきの方法がありますよ」


「ホントに!ぜひぜひ教えてください!」

洋先生
「いいですよ、ヨシノリくんに教えましょう。」

そう言って、洋先生は年代物のコニャックをいただいて帰りました。

【1週間後】


「ボン、記憶の勉強してる?」

ヨシノリ君
「やってるよ」


「どのくらい覚えたの?」

ヨシノリ君
「今月はoctoberなんだ」


「何、それだけ?」

ヨシノリ君
「そうだよ!」

ヨシノリ君
「来月は次の月を覚えなさいって言われたんだ!」


「まさかの……毎月ひとつ……?」

…その後、機会があったので洋先生に尋ねてみました。


「先生、記憶法って10分で単語を10個覚えるみたいな“裏技”じゃなかったんですか?」

洋先生
「お母さん……それがよくある誤解なんです」

[解説]

お母さんのように、魔法のように短期間で大量に覚えられるのが記憶法だと思ってる方は多いですが、それは記憶法のほんの一側面でしかありません。

人は一度にたくさんのことを覚えたいと望みますが、
実際には――
人間の脳は多くても一度に3つ程度のことしか処理できません。

大量の情報を一度にインプットしようとしても脳が疲弊し、無理だと感じて挫折します。
その結果、ほとんどの人はゼロで終わってしまうんです。

でも、今回ヨシノリくんが行っているように
月に一つ『細分化』
10月だからoctober『意味づけ』
来月はnovember『継続』
という3本柱で行えば1年後には12ヶ月の月の英語名を確実に覚えて、しかも忘れにくい記憶が形成されます。
(さらに習慣の力と能力の底上げと、自分にも出来た!という自信度が後の人生に効いてきます)

その後、ヨシノリ君の母も時間はかかったものの先生の理論が少し分かり始め、
ヨシノリ君の成長を楽しみにしながら、今日もホテルの仕事を頑張っています。

おしまい